元祖キモかわ芸人、消えると思う芸人ランク1位、抱かれたくない芸能人連覇など世間から貶され(芸人としてはオイシイけれど)、合コンでも持てず、傷ついてきた心の内を語る。「港区女子」に対しては敵意をあらわにし、恨み言を述べ、他人の幸せを妬むことさえも。小学生から売れない下積み時代、ブレイクしてからも、不運な場面をうまく掬いだして面白エピソードにしている。
薄毛に効く手作りの秘薬を送ってきたりする、テレビにも登場することのあったお母さんの話は、息子を思うやさしさにあふれ、ついほろっとする。先輩芸人や相棒の山根さんとの出会いなども盛らずに書かれていた。文庫版の加筆1編と巻末に穂村弘さんとの対談付き。いい感じの読後感が残るエッセイだった。

ちょっと不運なほうが生活は楽しい(新潮文庫) - 田中卓志
【関連する記事】


