金持ち相手の資産運用で莫大な富を手にしたエプスタインが自らの異常な性的欲求を満たすため、未成年の女の子を自宅などに招き、セックスプレイの相手をさせていた。カネの力で相手をスカウトするネットワークを築き、警察や検察など権力側には膨大な資金をばら撒き懐柔した。著名人の集まる社交界に影響力を広げ、慈善活動家として地域に社会に奉仕する表の顔。その裏では、性の捕食者として少女らをまさに食い物にしていた。最後は逮捕され拘置所で謎の死を遂げるが、地獄の沙汰も金次第を地で行く生涯だった。
詳細なレポートは米国流なのか、著者のジャーナリストとしての仕事だけでなく、家庭のことや、地方記者として劣等感みたいなものが織り込まれていて、冗漫に感じる箇所もあった。フライデーニュースダンプ(都合の悪いニュースは金曜日午後に発表する→土曜の朝は誰も新聞を読まない)と言われる権力側の事実公開のタイミングなど、日本にも通じるエピソードもあって興味深かった。3万ページに及ぶ注目のエプスタイン文書は、ほぼメールのやりとりの記録だとされ、多くの著名人の実名が記されているらしい。逮捕された英国のアンドルー王子や証言したクリントン元大統領など著名人が付き合いの延長で児童の性的虐待にも関与しているのか。トランプ大統領はマール・ア・ラゴでエプスタインと交友しており、親密な関係の中で性的交渉にも関与したのではないかと取り沙汰されている(もちろん本人は否定)。米国政治の行方を左右することにもなるかもしれない。

ジェフリー・エプスタイン 億万長者の顔をした怪物 - ジュリー・K ブラウン, 依田 光江
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