2026年02月27日

福翁自伝

「新訂 福翁自伝」(岩波文庫)を読了する。福沢諭吉が64歳のときに口述筆記させ、全面加筆した。幼い頃から晩年まで、ユーモアも交え、率直に自らの生涯を振り返っていて、我が国最高の自伝文学と言われるのにも納得した。

大分・中津の下級武士の家に生まれた。封建制度、門閥社会は親の敵と、立身出世は見向きもせずに学問に打ち込んだ。長崎、大阪・緒方洪庵塾、江戸、そして米国、欧州訪問。王政復古、明治維新という激動の時代に独立を貫いた。自伝では、塾生として早々に頭角を現す様と、バンカラな(?)生活のエピソードも細かく書かれていて青春記のような趣きもあり、面白かった。

福沢は、腕力に訴える喧嘩はしたことがない、恐ろしいものには臆病であり逃げることを考える、生来の大酒飲みと告白している。人間臭さが魅力の人だと思った。空威張りする政府の役人が嫌いで仕官を断り、妾を持つのが珍しくない時代に女性関係については潔癖だったらしい。日本が国を開き、富国強兵への国へと発展するためには、教育こそ大事と洋学を学ぶ慶應義塾を開いた。政治からは距離を置き、教育者として社会を啓蒙しようとした人の生涯を心に刻んだ。

新訂 福翁自伝 (岩波文庫) - 福沢 諭吉, 富田 正文
新訂 福翁自伝 (岩波文庫) - 福沢 諭吉, 富田 正文

posted by あぶりん at 17:50| Comment(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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