2025年03月24日

隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

韓国語の翻訳家・斎藤真理子さんの語学エッセイ「隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ」(創元社)を読む。マル(言葉)、クル(文、文字)、ソリ(声)、シ(詩)、サイ(あいだ)という5つの言葉から、韓国語と日本語の違いやハングルに宿る思想や歴史を語る。韓国語使いではないが、初めて知ることも多く、勉強になった。韓国語を学ぶ家族にも勧めようと思う。

ハングルは「ハン」(偉大な)「クル」(文字)。世宗(セジョン)大王がチームを編成し作り出したハングル。自然と出来た言葉ではないところが凄いと改めて思う。他国に支配された史実から自国の歴史への思いは強い。「6・25」(ヨギボ)の時と、朝鮮戦争が始まった日付が普通の会話に出てくる。

韓国では詩人のステータスが高いのも日本とは異なる。啓蒙者であり、抵抗者であり、精神的な支柱だった。金芝河、李箱(イサン)、尹東柱ら、名前だけは知っているが、深く作品を読んだことがない。神風特攻隊のことを「生きられない飛行機」と表現する感性はやはり詩的な国民なのだと感じた。

隣の国の人々と出会う: 韓国語と日本語のあいだ シリーズ「あいだで考える」 - 斎藤真理子
隣の国の人々と出会う: 韓国語と日本語のあいだ シリーズ「あいだで考える」 - 斎藤真理子
posted by あぶりん at 12:00| Comment(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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