三谷幸喜監督&脚本の「スオミの話をしよう」を公開初日に観た。金持ち詩人の妻・スオミを演じる長澤まさみが七変化の演技で歴代の夫たちを翻弄する。三谷監督得意のスラップスティックを盛り込んだミステリーコメディーだ。
「コンフィデンスマンJP」でコメディエンヌぶりには定評のある長澤だが、なんと三谷監督とは初めて組んだという。相手の男に合わせて、全く違う表情と性格を使い分ける長澤の演技に見惚れる。基本的には情けないところやだらしないところを持つ男たちには、たまらないスオミの魅力。「男には女の本当の気持ちは分からない」なんて言葉があるように、永遠のテーマである男女、夫婦の思いのすれ違いを物語の軸にしている。
西島秀俊、松坂桃李といった二枚目役より、坂東彌十郎、遠藤憲一ら三枚目の濃ゆい演技が結構なインパクト。神出鬼没女アザミを演じる宮澤エマも要所で光っていた。楽しく見れたけど、笑いのレベルはクスッという程度でそれほどでもなかったかなあ(スオミの豹変ぶりが少し怖かったせいもある)。
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