タイトルに惹かれて「言語が違えば、世界も違って見えるわけ」(ガイ・ドイッチャー著)を手に取る。途中から言語学の専門的な話についていけなくなったが、ところどころに「へえ」という箇所もあった。
今日の言語学では、言語の基盤は私たちの遺伝子に組み込まれており、ヒトという種のすべてに共通するという考え方が主流という。ノーム・チョムスキーは、「火星人の科学者が地球を観察したら、地上のすべての人間は単一言語の諸方言を話していると結論づけるだろう」と指摘している。全ての言語は深いところで普遍文法と基本的概念と体系としての複雑さの程度を共通にしているという。
日本語の元来あった「アオ」は、青と緑の両方を含んでいた。信号の青信号にその名残があるという話にも、なるほどと思った。文明の進歩とともに人間の色彩感覚も発達していく様が古今の文学作品によって裏付けられていたり、雑学的な知識と言語の面白さを堪能した。
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