ヴァージニア・ウルフ原作の「オーランド」をキャナルシティ劇場でみた。18世紀の英国から350年にわたって生きた男→女の壮大な物語。女性が差別される社会、生きにくい時代、時空を超えて生きるオーランドを通して愛と苦悩を描いた。
主演は宮沢りえ。舞台に出てきた男装の姿を見た時、しばらく宮沢りえと気づかなかった。随分と痩せていたイメージがあり、男性らしいキビキビとした動きや声色に、宮澤エマかなと思ったりした。でも、一夜にして男性から女性に生まれ変わったシーンでは優美なスタイルと色気で観客席をうっとりさせた。ここで初めて宮沢りえだと確信した。正しい言葉の発音、はっきりとした口調、とてもこなれていて、その演技力に魅せられた。
原作を詩人の岩切正一郎が翻案し、栗山民也が演出した。舞台は哲学的で詩的な表現に富み、分かりづらいところもあったが、長大な物語を3時間ほどにまとめ感動を与えてくれた。共演はウエンツ瑛士、山崎一、河内大和、谷田歩。
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