「デ・キリコ展」を東京都美術館で見た。シュールレアリズムの元祖といわれる画家。哲学的な絵画を意味する「形而上絵画」という言葉を初めて知った。
表情のない不気味なマネキンや夢の中のような不思議な風景が特徴的。しかし、終生そういった作風を通したわけではなく、途中でオーソドックスな古典絵画に回帰したり、またシュールな作品に戻って彫刻や舞台衣装を手がけたりと、振り幅が大きい絵画人生を送っている。
一つの主義主張をずっと堅持するというより、その歩みの中で次々と新たな取り組みに挑む。そんな姿勢が新たな時代を切り開いた芸術家の証ともいうべきなのか。鑑賞後、カフェでくつろぎながら、思いを巡らした。記念に(切り子をもじった?)グラスを買った。デ・キリコの絵っぽいデザインで、「これでビールを飲んだらうまいかも」と衝動買いだった。
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ギュリコ(G. D. Gurico)こと、猫画家ヒグチユウコの〈形而上絵画に潜むギュスターヴたち〉はデ・キリコの〈不安を与えるミューズたち〉の中に 「ギュスターヴくん」(蛇手・蛸足の猫キャラ)が入り込んだパチモン ・アートです。
(https://www.instagram.com/p/C6QOoKvp4_Y)
「山田五郎 オトナの教養講座」 でも参照している長尾天の『ジョルジョ・デ・キリコ』(水声社 2020)は必読にゃん!
(https://www.youtube.com/watch?v=-VDqw5ZYhWk)