2025年03月31日

俺の話は長い 2025春

好きだったテレビドラマ「俺の話は長い」(日テレ系)の新作・2025春編をTVerで見る。コロナ前の2019年の放送だったらしい。生田斗真主演で小池栄子、安田顕、原田美枝子と贔屓の俳優が今回も健在。娘役の清原果耶がすっかり大人っぽくなっていて時の流れを感じる。

ニートの主人公と、それを取り巻く家族のちょっとした騒ぎを描くホームコメディ。疎ましく思いながらも優しい人たちの、心の行き違いや期待はずれや、誰にでもある微妙な葛藤をドラマ仕立てにしている。

脚本は金子茂樹で、ネット検索によると、第38回向田邦子賞を受賞したらしい。コロナ後の今の空気をどんな風に作品に織り込んでくるのか。来週日曜日に放送の後半が楽しみだ。

俺の話は長い DVDBOX
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2025年03月30日

ママチャリ訪問買取

家族が使わず放置されたママチャリを出張買取してもらった。きっかけは自宅にかかってきた電話。「何か不用品はありませんか」といきなりかかってきて、適当に応対していたが、「壊れた自転車でもOKです」というので来てもらった。

レトロス(一応全国チェーンらしい)という会社でスーツの若い男性が車で来た。「ブリヂストンのメーカー品なので大丈夫です。高く買い取ります。売上が自分成績になるので」と写真を撮り、本部へ鑑定を依頼。その間、玄関先で書類の準備。「他に何かありませんか、貴金属とか家電とか、古くても壊れていてもいいです」とここからが営業トーク。「指輪のケースだけでもいいですよ」。特にないけどなあとかわしていたけど、なかなかしつこい。

まもなく自転車はなかなか厳しいとの査定。「でも何か別のモノを買い取りできれば、200円で引き取る」ときた。「腕時計とかでもいいですよ、ないですか」。面倒だったが、壊れて引き出しに入れていたセイコーの古い腕時計を買取に出す。で、結局合わせて300円なり。自転車はもともと廃棄物処理場に持っていく予定(持ち込み料がかかる)だったので、手間が省けてラッキーだった。引き取って利益になるのかと聞くと、自転車はメンテナンスしてタイ、フィリピンに持っていき売る、時計は古物市に出すそうな。高齢者世帯が増える中、こうした訪問買取は増えているようだ。今回は狙いは自転車以外だったのかも。今後は気をつけようと思った。
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2025年03月29日

ユーミンの歌声はなぜ心を揺さぶるのか

作曲・編曲家で音楽プロデューサーの武部聡志さんの著書「ユーミンの歌声はなぜ心を揺さぶるのか」を読了。「語り継ぎたい最高の歌い手たち」とサブタイトルにあるように、武部さんが40年以上、共演してきたボーカルたちの魅力を語る。昭和のニューミュージックから令和のボーカロイドまで優れた歌い手たちの列伝といった趣だ。

ユーミンのコンサートには1983年から音楽監督として関わってきただけに、ユーミン論が一番心に残る。情感豊かにではなくて、あえて無機質な歌い方をして、歌の魂を際立たせる。それもユーミンの声質によって可能になったという。モンゴルで当地の伝統的歌唱法ホーミーの真似をして、ユーミンが歌ったところ、その声を聞いて羊たちが集まってきた。ホーミーは元になる低音と、それに共鳴する高音を一人で同時に発声する。その歌声は人の心を癒す力を持つ。ユーミンの歌声にも独特の響きがあり、聴く人の心を掴む大きな要因であるのではないかと指摘する。

個人的に好きな井上陽水の甘く艶やかな声は、まさに唯一無二。世界観の独特さ、昭和歌謡の持つ妖しさみたいなものがあるとの指摘に頷く。一度ライブに行ったことがある一青窈の代表曲「ハナミズキ」。歌詞の内容からラブソングと思っていたら、実は9・11世界同時多発テロの際、ニューヨークの友達を思って書いた曲で、反戦歌だという。歌詞にある「100年続きますように」は、好きな人を含めて誰もがこんな気持ちを持てれば、きっと戦争はなくなるという一青さんの祈りが込められている。音楽好きでなくても楽しい一冊だった。

ユーミンの歌声はなぜ心を揺さぶるのか 語り継ぎたい最高の歌い手たち (集英社新書) - 武部聡志, 門間雄介
ユーミンの歌声はなぜ心を揺さぶるのか 語り継ぎたい最高の歌い手たち (集英社新書) - 武部聡志, 門間雄介
posted by あぶりん at 12:05| Comment(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月28日

映像の世紀 バタフライエフェクト ヒトラーの素顔に迫る

NHKプラスで「映像の世紀 バタフライエフェクト 映像の世紀✖️AI ヒトラーの素顔に迫る」を見る。ちょうどナチス関連のブックレットを読んだ後でたまたま目についたのだが、AIを使った番組作りも「ここまで来たか」と感心した。

番組によると、独裁者ヒトラーは、膨大な映像が残る一方で、自らを神格化するために私的な姿をほとんど撮影させなかった。謎多きヒトラーの素顔をあぶり出す唯一の鍵は、愛人エヴァ・ブラウンが撮影した4時間の16ミリフィルム。ヒトラーが信頼する人物との私的な交流が捉えられているという。番組では、フィルムの登場人物を特定するためにナチ関連映像120時間分をAIに読み込ませた。アーカイブ映像とAIの組み合わせで、埋もれていた真実を探る試み。頻繁に登場する男性を主治医と突き止めたり、イケメンの青年を民族の理想像として身近に侍らせたりした様子が新たに分かったという。

愛人は23歳も年下で、会った当初はごく普通の女の子だった。戦争が佳境に入り、連合軍やソ連軍が迫る中で、ヒトラーは愛人とともに山の別荘に籠り、別世界のような優雅な生活を送っていた(最後は地下室で結婚式を挙げ、心中したと言われる)。そんな生活をとらえた映像には、ナチの幹部らが映っていて、ヒトラーに軍事作戦についての相談などをしている。映像だけで音声はないのだが、それを読唇術のプロが読み、一部を言葉として再現した。ただ口元が鮮明でないものは難しく、それが分かる技術を九州工業大がAIを使って研究中という。いずれ新たなテクノロジーが開発され、過去の映像から驚くべき歴史的会話が明らかになる。そんな日はそう遠くないかもしれない。

映像の世紀バタフライエフェクト
映像の世紀バタフライエフェクト
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2025年03月26日

検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

岩波ブックレット「検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?」を読む。米国でのトランプ現象や欧州での排外主義の広がりの影響で、近年「ナチスは良いこともした」と主張したがる人が増えている。一線の研究者である小野寺拓也氏(東京外大大学院総合国際学硏究院准教授)と田野大輔氏(甲南大文学部教授)が最新の歴史資料をもとにナチスの政策を評価している。

ヒトラーはいかにして権力を握り、ドイツ国民は熱狂的にナチを支持したのか。歴史的な事実を踏まえながら、経済回復はナチの功績か、ナチスは労働者の味方だったのか、手厚い家族支援、先進的な環境保護政策は真実なのか、ナチスは健康帝国だったのかといった、よく主張されるポイントについて回答していく。何かというとポリコレ(ポリティカルコレクトネス)を錦の御旗にする傾向がある昨今。こうした世間に鬱陶しさを感じる(その気持ちも分からないではないが)人たちが「ナチスは良いこともした」という主張に飛び付くきらいがあるという。

検証では、どの政策もナチスのオリジナルではなく、ヴァイマール体制からの政策を上手に利用し、大々的なプロパガンダでナチスの手柄としたことが示される。さまざまな国民向けの政策もあくまでアーリア人に向けたもので、ユダヤ人や障がい者は対象外。すべては戦争遂行のためで、民族浄化、優生思想によるホロコーストにつながった。歴史の中の断片を取り上げて、よく考察することもなく声高に主張することの愚かさを改めて思う。

検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? (岩波ブックレット 1080) - 小野寺 拓也, 田野 大輔
検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? (岩波ブックレット 1080) - 小野寺 拓也, 田野 大輔
posted by あぶりん at 19:12| Comment(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする