2024年06月29日

生きのびるための事務

坂口恭平の「生きのびるための事務」を読む。道草晴子の漫画で夢を現実にする「事務」の技術について解説している。「事務」といっても会社の事務ではなくて、スケジュールとお金の管理の話。夢だけを語って「いつか」と言う前に、10年後の自分の生活(未来の現実)を具体的にノートに書き込んで、それを実践していくことを勧める。


ポイントは、自分の好きなことだけをやるということ。「好き」は「自信」を凌駕する。自分の継続したいことが本当に好きかどうかが大事だという。才能とは、好きなことを継続できること。それが評価されるかどうかは別の話と考えれば気持ちも楽になる。


イメージできることは全て現実になる。必ず最後はうまくいく。文章を書くこと、絵を描くこと、音楽をすることをメインに活動する著者の生き方のプレゼンなのだが、少なくとも会社勤めの人には向かない一冊かな。でも、いずれ作家にでもと考える人には、きっとためになる本だと思う。心構えだけでなくて、税金のことを考えれば、個人事業主ではなくて合同会社を作って、そこで事務を管理していく方法も教えている。



生きのびるための事務 (SHURO)

生きのびるための事務 (SHURO)



  • 出版社/メーカー: マガジンハウス

  • 発売日: 2024/05/16

  • メディア: Kindle版





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2024年06月27日

自転車に乗る前に読む本

ブルーバックスの「自転車に乗る前に読む本」(高石鉄雄著)を読んだ。一応サイクリングを趣味というか、健康づくりの手段として続けている身としては、改めて科学的根拠を頭に入れておこうと一読した。


サブタイトルに「生理学データで読み解く身体と自転車の科学」とある。著者は大学の先生なので、表やグラフ、数式を駆使して説明してくれる。ただ、こちらとしてはそういうデータは飛ばし読みして、効率的にエネルギーを消費し筋力をつける乗り方などを学べればとページを繰った。


本格的な競技サイクルでなければ、クロスバイクが一番良くて、ペダルの回転はギアを適度に切り替えて一定に。一日20分の自転車運動が理想だという結論。「疲れない」乗り方こそ最も効果的で健康寿命の延長にも寄与するとのことだった。


自転車に乗る前に読む本 生理学データで読み解く「身体と自転車の科学」 (ブルーバックス)

自転車に乗る前に読む本 生理学データで読み解く「身体と自転車の科学」 (ブルーバックス)



  • 作者: 髙石鉄雄

  • 出版社/メーカー: 講談社

  • 発売日: 2023/10/18

  • メディア: Kindle版





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2024年06月26日

チームラボ・ボーダーレス

麻布台ヒルズにできたデジタルミュージアム「チームラボ・ボーダーレス」に行ってきた。2カ月前からWEB予約して、もちろん入場はスマホのQRコード。館内での説明もミュージアムグッズ購入も何もかもスマホなしには進まない仕組み。まさにデジタル技術の結晶をアートで体感した。

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館内は暗く迷路をゆっくり歩いていく感じ。通路から通じる部屋へ入ると、多様な展示が展開しているが、それも刻々と変化していて入る度に違った映像やプロジェクション・マッピングが展開する。草花や鳥、魚、江戸時代の日本などなど、イメージが次々と流れて行く。

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ちょっと疲れてカフェコーナーで休憩。日本茶にプロジェクション・マッピングで花が咲き散っていく。1時間ほどぐるぐると館内を浮遊して夢の中を楽しんだ。多くは外国からの観光客。台湾や韓国の人と見分けがつかないのか、スタッフからたびたび英語で案内され、外国人気分を味わった。

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2024年06月25日

青春と変態


美術家会田誠の「青春と変態」を読了。どこまでがホントでどこからがフィクションなのか、判然としないが、いわゆる世間の常識から度外れた行動が描かれている。



それでもスキー部合宿での人間関係や恋愛模様など、あの年代特有の甘酸っぱい香りが漂う。そういう意味ではまさに青春記だ。タイトルから連想する性の問題から「性春記」かと思っていたら意外と純粋で違った。



会田誠の回顧展を以前、森美術館で見た。スク水の美少女たちが画面一杯に描かれた作品が目を引いた。性的嗜好を隠さず作品に昇華させる。これこそアーティストなのかもしれない。




青春と変態 (ちくま文庫)

青春と変態 (ちくま文庫)



  • 作者: 会田 誠

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房

  • 発売日: 2013/10/09

  • メディア: 文庫






posted by あぶりん at 18:34| Comment(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月24日

デ・キリコ展


「デ・キリコ展」を東京都美術館で見た。シュールレアリズムの元祖といわれる画家。哲学的な絵画を意味する「形而上絵画」という言葉を初めて知った。


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表情のない不気味なマネキンや夢の中のような不思議な風景が特徴的。しかし、終生そういった作風を通したわけではなく、途中でオーソドックスな古典絵画に回帰したり、またシュールな作品に戻って彫刻や舞台衣装を手がけたりと、振り幅が大きい絵画人生を送っている。


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一つの主義主張をずっと堅持するというより、その歩みの中で次々と新たな取り組みに挑む。そんな姿勢が新たな時代を切り開いた芸術家の証ともいうべきなのか。鑑賞後、カフェでくつろぎながら、思いを巡らした。記念に(切り子をもじった?)グラスを買った。デ・キリコの絵っぽいデザインで、「これでビールを飲んだらうまいかも」と衝動買いだった。


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posted by あぶりん at 19:05| Comment(1) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする