坂口恭平の「生きのびるための事務」を読む。道草晴子の漫画で夢を現実にする「事務」の技術について解説している。「事務」といっても会社の事務ではなくて、スケジュールとお金の管理の話。夢だけを語って「いつか」と言う前に、10年後の自分の生活(未来の現実)を具体的にノートに書き込んで、それを実践していくことを勧める。
ポイントは、自分の好きなことだけをやるということ。「好き」は「自信」を凌駕する。自分の継続したいことが本当に好きかどうかが大事だという。才能とは、好きなことを継続できること。それが評価されるかどうかは別の話と考えれば気持ちも楽になる。
イメージできることは全て現実になる。必ず最後はうまくいく。文章を書くこと、絵を描くこと、音楽をすることをメインに活動する著者の生き方のプレゼンなのだが、少なくとも会社勤めの人には向かない一冊かな。でも、いずれ作家にでもと考える人には、きっとためになる本だと思う。心構えだけでなくて、税金のことを考えれば、個人事業主ではなくて合同会社を作って、そこで事務を管理していく方法も教えている。