テーマは作品の主軸の一つ、同性愛について。いわゆるゲイ、レズビアンの人たちへの偏見は当時のフランス社会では根強かったようだ。話の舞台である社交界でもゲイの男爵へ好奇の目が向けられる。主人公は恋人がレズビアンではないかとの疑惑を抱き、苦悩する。今はダイバーシティの先端を行くフランスだが、今昔の思いがする。
心に残った箴言二つ。
人との会話は、さまざまな意見を正確に知るためより、むしろ新しい表現を覚えるためにこそ必要である。
怠け癖さえ天賦の才能のように思われた。なぜなら怠惰は労働の反対であり、労働は才能のない人間の宿命だからだ。

失われた時を求めて 7 第四篇 ソドムとゴモラ 1 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/10/18
- メディア: 文庫

失われた時を求めて 8 第四篇 ソドムとゴモラ 2 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/10/18
- メディア: 文庫