プロダクトデザイナー山中俊治さんの著書。デザインには理由があるという言葉どおり、科学的根拠に基づいていろんな物が作られているのが分かる。アップルのジョブズの台形嫌いから、スイカの改札機の読み取り角度13.5度の訳まで、好奇心を刺激する逸話が盛りだくさんだ。
チューリング・パターンという生物の体の模様の古典的な数学シミュレーション。2つの化学反応が同時に広がっていくとき周期的なムラができる。反応がお互いに影響し合って、ヒョウ柄やシマウマ柄、熱帯魚の模様ができるという。チューリングはコンピューターサイエンスの父と呼ばれる英国の数学者で、パソコンがない時代にナチスの暗号を解き連合軍を勝利に導いた天才として知られる。
タイヤの溝が一定のピッチで彫られてないのはなぜか。耳障りなノイズが発生するのを防ぐため、幅のある周波数のノイズにしている。ホワイトノイズ化。
機能美の極致はイタリアのデスクランプ、トロメオ。
ミニカーは実車の縮小ではない。スケールによる曲面感度の差があり、忠実に縮小してしまうと、抑揚のあるスポーツカーのボディもフラットな四角いクルマに見えてしまう。
いろんな「ヘェ〜」があって、単に感覚やイメージだけでデザインしている訳ではないこと、感性と科学のマリアージュが大切なことであることを学んだ。
2020年08月29日
2020年08月23日
火花
又吉直樹の「火花」を読んだ。何年か前の芥川賞。有名人枠で取ることも多いと批判される賞だが、周辺で働いていた立場からすると、商業出版なのだから話題になりそうな作品を選ぶのは当然のこと。文芸作品は数万売れればめっけものと言われる時代だから、火花は何年かに一度のヒットと言える。
又吉そのものが主人公の私小説という感触。自分がおもろいものを追求する先輩と、お笑いの世界で食べていく、人気者になり成功することを夢見る主人公。理想と現実のギャップ、焦りが芸人のリアルを描き出す。
さすがに漫才ネタを書いているだけあって、ステージのやりとりは絶妙。ラストライブは読んでも泣けた。吉祥寺、井の頭公園、渋谷、高円寺、下北沢、石神井と、知ったスポットが出てきて、その空気感が個人的によくわかるのも楽しかった。
又吉そのものが主人公の私小説という感触。自分がおもろいものを追求する先輩と、お笑いの世界で食べていく、人気者になり成功することを夢見る主人公。理想と現実のギャップ、焦りが芸人のリアルを描き出す。
さすがに漫才ネタを書いているだけあって、ステージのやりとりは絶妙。ラストライブは読んでも泣けた。吉祥寺、井の頭公園、渋谷、高円寺、下北沢、石神井と、知ったスポットが出てきて、その空気感が個人的によくわかるのも楽しかった。
2020年08月16日
恋は雨上がりのように
小松菜奈と大泉洋主演。女子高生が冴えない中年のファミレス店長に片思いするロマンス。クールな感じの女子高生役がハマる小松菜奈が好きで、公開当初見に行こうと思っていたが見逃していた。アマゾンプライムに上がっていて、ようやく見れた。
陸上部のエースでアキレス断裂、やけを起こしてバイトで気を紛らす日々。優しい店長(これまたファンの大泉洋)に引かれるという筋。最初から結末はわかっていたが、小松菜奈のあの視線、睨む目がいいんだよね。制服のミニスカートも似合う。
もうすぐ公開で菅田将暉と共演する「糸」を見にいきたいんだけど。コロナで少しばかり躊躇し思案中。映画館は大丈夫と思うんだけど。家族がいるから万が一を考えてしまう。もう1年待ったらアマゾンプライムにあがるかな?
陸上部のエースでアキレス断裂、やけを起こしてバイトで気を紛らす日々。優しい店長(これまたファンの大泉洋)に引かれるという筋。最初から結末はわかっていたが、小松菜奈のあの視線、睨む目がいいんだよね。制服のミニスカートも似合う。
もうすぐ公開で菅田将暉と共演する「糸」を見にいきたいんだけど。コロナで少しばかり躊躇し思案中。映画館は大丈夫と思うんだけど。家族がいるから万が一を考えてしまう。もう1年待ったらアマゾンプライムにあがるかな?
2020年08月09日
草枕
夏目漱石の作品を手に取る。何の拍子で買ったのか忘れたが、書棚に文庫本があった。「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」。冒頭のフレーズだけは文学知識として知っているが、はてどんなお話か。
とにかく聞いたことのない漢語がやたら出てくる。漢文の素養がない身としては注釈をいちいち見なければならない煩わしさがあった。田中康夫のなんクリを思い出す。漱石文学としての位置づけはよく知らないが、絵かきと出戻り娘のお話が筋といえば筋のように進む。
山村と都会、文明と自然、戦争の影、芸術家の苦悩。現代に通じるものがあるから、いまだに漱石は読まれるのだろう。国語の教材として今も漱石が使われているのだろうか。時代や自らの半生を考えたりしながら読む。大人になって、この歳になって読む漱石はまた格別の味があると思った。
とにかく聞いたことのない漢語がやたら出てくる。漢文の素養がない身としては注釈をいちいち見なければならない煩わしさがあった。田中康夫のなんクリを思い出す。漱石文学としての位置づけはよく知らないが、絵かきと出戻り娘のお話が筋といえば筋のように進む。
山村と都会、文明と自然、戦争の影、芸術家の苦悩。現代に通じるものがあるから、いまだに漱石は読まれるのだろう。国語の教材として今も漱石が使われているのだろうか。時代や自らの半生を考えたりしながら読む。大人になって、この歳になって読む漱石はまた格別の味があると思った。
2020年08月08日
ずさんマイナポイント!!
たまたまマイナンバーカードを作っていたので、マイナポイントに登録することにした。ポイントのつくクレジットカードに紐づけすれば、9月から5000ポイントを上限にキャッシュバックがあるという。
確定申告で使ったカードリーダーがあるのでパソコンで登録しようとしたら、なんとMacはダメでWindowsしか受け付けないという。そんなバカな、確定申告はOKだったのにスジが通らない、というか訳がわからない。仕方なくiPhoneで登録しようとしたら、今度は旧OSは受け付けない、最新のにバージョンアップしろというメッセージ。買い換えろというのか、大概にしろよと、つい毒づいてしまった。
なんとまあ、ひどい国の対応。今に始まったことではないけれど、デジタル対応のお粗末さにも程がある。一事が万事、もっと大きな問題で国の誠意のなさは何度も見せつけられてきた。腹立たしい連休初日になったが、こうなると何としてもマイナポイントを登録してポイントをゲットしてやると決心する。地元の交通業者がやっている登録サポート会場に行くことにした。
確定申告で使ったカードリーダーがあるのでパソコンで登録しようとしたら、なんとMacはダメでWindowsしか受け付けないという。そんなバカな、確定申告はOKだったのにスジが通らない、というか訳がわからない。仕方なくiPhoneで登録しようとしたら、今度は旧OSは受け付けない、最新のにバージョンアップしろというメッセージ。買い換えろというのか、大概にしろよと、つい毒づいてしまった。
なんとまあ、ひどい国の対応。今に始まったことではないけれど、デジタル対応のお粗末さにも程がある。一事が万事、もっと大きな問題で国の誠意のなさは何度も見せつけられてきた。腹立たしい連休初日になったが、こうなると何としてもマイナポイントを登録してポイントをゲットしてやると決心する。地元の交通業者がやっている登録サポート会場に行くことにした。