ケガレなき少女の心は永遠にキレイであってほしい。そんな男の願望が物語の根っこにあるのかな。世間は争いが絶えず、人は損得勘定で動き、騙し騙されの日々。神様に見守られながら少女は汚れていく。人の形をした食糧(ダイズ)なんてグロテスクな発想はなかなか出てこないけど、ゲノムの時代には荒唐無稽な話ではなくなりつつあるような。恐ろしい時代の空気を感じ取りもした。
例によってギャグが散りばめられているけれど、伊藤ヨタロウの音楽、生バンドによる歌と踊りは皆達者。大人計画のメンバーはもちろん、鈴木杏、麻生久美子の歌もサマになっていた。主演のケガレは、初代が奥菜恵、次が鈴木蘭々、そして多部未華子。4代目の生田は「品を出しちゃダメ」と、演出の松尾に注文を出されたという。来年からコクーンの芸術監督になる松尾。遊びゴコロ全開の舞台に期待しよう。
