青年団・こまばアゴラ演劇学校無隣館による公演を、こまばアゴラ劇場でみた。学生や青年労働者が日本を、社会を何とかしなければと、過激な行動に走った時代があった。新左翼と呼ばれた革命家たちが物語の主人公。劇中に出てくる熱い論議を目の当たりにして、忘れかけていた情熱、若き昂ぶりのような感情を思い出した。
闘争、オルグ、機関誌、世界同時革命、シンパ、三里塚、内ゲバ。作品のパンフには、革命日記のための用語集が親切にも付録としてついていた。どれも懐かしい言葉で、連想ゲームのように大学のキャンパスが頭に浮かんだ。
学生のころはノンポリだったが、「自分は何もしなくてよいのか」という焦りのような気持ちは確かにあった。それは政治への関心に向き、その後の進路にも影響を与えた。平田オリザの作・演出。日常の中から発想の羽根を広げていく、コミュニケーション劇には今回も考えさせられた。

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)
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