2018年02月25日

みうらじゅんフェス

川崎市市民ミュージアムで開催中の「MJ's FES SINCE1958」を見にいった。「マイブーム」の全貌がまさに一堂に。世間の違和感を敏感に察知し、過剰に集め、だれに頼まれたのでもなく、徹底してやってしまう。本人は否定するが、アーティスト魂のようなものを感じた。

子どものころから収集癖、展示されたものは小学生のころからのコレクションであり、まんがなどの作品であり、スクラップである。怪獣のコレクション、栗田ひろみのブロマイド、京都の仏像写真など、マイブームの変遷が分かる。通常の人は、たぶん恥ずかしくって、公に展示できないだろうな、というものまで公開するところが、やはりアートなのかも。山田五郎と展示について語る館内ビデオは、面白すぎ。

ミュージアムは、武蔵小杉駅からバスで10分程度。帰りは駅まで歩いたが、公園近くの住宅街と駅前の高層マンションの対比に驚き。最近人気の街らしいが、自分的にはどうかな、と感じた。

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マイ遺品セレクション

マイ遺品セレクション

  • 作者: みうら じゅん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/02/07
  • メディア: 単行本



人生エロエロ (文春文庫)

人生エロエロ (文春文庫)

  • 作者: みうら じゅん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/06/10
  • メディア: 文庫



マイ仏教 (新潮新書)

マイ仏教 (新潮新書)

  • 作者: みうらじゅん
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/05/14
  • メディア: 新書



正しい保健体育 ポケット版 (文春文庫)

正しい保健体育 ポケット版 (文春文庫)

  • 作者: みうら じゅん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/08/04
  • メディア: 文庫
posted by あぶりん at 17:45| Comment(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月18日

一陽来復 Life Goes On

東日本大震災からまもなく7年。岩手、宮城、福島で暮らし続ける人たちを追ったドキュメンタリーの試写をみた。国の「心の復興」事業の一環として制作された。監督はユンミアさん。時間的制約など条件をクリアしながら撮った、その苦労が見て取れる。

三人の子どもを一度に亡くした夫婦、結婚してまもなく夫を失い忘れ形見の子どもと暮らす妻、原発事故後も出荷できないコメを作り続けた農家。釜石、南三陸、石巻、川内、地域によって事情は異なるが、癒えることのない心の傷を抱えながらも前を向く。

一陽来復=冬が去り春が来ること。悪いことの後、ようやく物事がよい方に向くこと。津波が海底をさらったことで、漁場は生まれ変わった。大きな自然の再生の営みでもあったと話す漁業者の言葉。人々の営みが作り出した、原発政策や防災対策など、震災を機にどこまで生まれ変わることができるのだろうか。復興はなお途上であるとあらためて思った。

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posted by あぶりん at 16:33| Comment(0) | シネマ&演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月13日

銀河鉄道の父

門井慶喜さんの直木賞受賞作。父親から見た、あの宮沢賢治の物語だが、作品は知っていても賢治のことをあまり知らなかったこともあり、童話作家の意外な一面を知った。

岩手・花巻の宮沢記念館を訪ねた際、賢治の日蓮宗への信仰のことを知った。しかし、質屋で地元の知名士だった父に金の無心を繰り返したりしたことなど、知らなかった。妹への愛情、父への反発、文学への思い。故郷イーハトーブへの思いの一方で、東京の出版社から本を出したいと願う。

天才的な文学の才能があっても、賢治にはごく普通の感情があったのだ。家父長制、家制度が確固としてあった明治の時代。その時代に生み出された物語が今なお読み継がれている、そのことに改めて感銘を受けた。


銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞



  • 作者: 門井 慶喜

  • 出版社/メーカー: 講談社

  • 発売日: 2017/09/13

  • メディア: 単行本





posted by あぶりん at 17:23| Comment(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月11日

ミッドナイト・バス

ほぼ全編新潟ロケ、地元の新潟日報創刊140周年記念の一作。ことしの北陸は大雪被害で大変だが、雪の舞う新潟市内の映像をみながら、この季節の地元の人たちの苦労を思う。

東京と新潟をつなぐ長距離バスの運転手が主人公(原田泰造)。離婚して元の会社を辞め地元・新潟に戻り、息子と娘を育て上げた。東京・大森で居酒屋を営むアラフォーの恋人(小西真奈美がとても魅力的)と、元妻(山本美來)の間で揺れる男。東京では一人の男、新潟では父親としての顔を優先する。それぞれに責任を果たそうとする。

物語は淡々と描かれていく。これまではっきりものを言わなかった夫婦、家族。帰る家庭があることの安心、一人になることの寂しさ。ラストは原作(伊吹有喜作)とは違うらしいが、どこかストーカーのようなラストはいかがなものかと心にひっかかった。
posted by あぶりん at 18:47| Comment(0) | シネマ&演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする