ドイツのアカデミー賞観客賞を受賞した作品を試写会でみた。アフリカの難民を受け入れたハートマン家の人々の困惑と大騒動をコメディタッチで描く。定年世代の夫婦の葛藤や、離婚して父子家庭の息子、こじらせ女子の娘ら。経済的な豊かさゆえに、効率一辺倒の思考や、行き過ぎた個人主義で、大事なものを見失った人々が登場する。日本の社会と変わらぬ状況を描いたドラマに考えさせられた。
シリアなど中東の難民は、欧州の大きな政治・社会問題だ。国内の経済格差問題と絡み、移民排斥の動きが過激化する国も多い。でも、この作品は、単に難民問題の深刻さを訴える映画に終わっていないところが魅力。移民問題を語ることで、不寛容な時代の空気を「これでいいの?」と告発しているのだ。
サイモン・バーホーベン監督。ドイツの著名な俳優たちが出演しているらしいが、近年ドイツ映画を見た記憶がなく、ピンと来なかった。勤勉さという点では、日本とドイツは似ていると言われる。すんなりストーリーについていけたのは、そんな親しみ深さや、似た国民性があるのかもしれない。

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