都内であった講談社エッセイ賞の授賞式を覗いた。今年の受賞者は小泉今日子さんと穂村弘さん。二人とも人気者、というかキョンキョンの受賞ということで、会場は例年以上の大賑わい。メディアも大勢詰めかけていた。
小泉さんは受賞あいさつで、20代のころ雑誌にエッセイを連載し、そのときに演出家の久世光彦さんに言われたことを紹介。とても素敵なエッセイだけど、自分のいいところばかり書いている。いつか嫌なこととかも書けるようになれたらいいね。受賞作の「黄色いマンション 黒い猫」は、その久世さんのアドバイスを素直に受け止め、文章にしたのだという。林真理子さんは選評で、小泉さんの文章のセンスのよさを指摘したうえで、自分の存在や過去をこれだけ客観視できる人はそういない。スターと言われる存在であれば、なおさらだと言っている。間近で見た小泉さんは相変わらずおしゃれでカッコよかった。
続いてあいさつした穂村さんは、受賞作の「鳥肌が」は怖いもの見たさという気持ちで書いた。短歌の人らしく言葉について自らの解釈を縷々述べた後、怖い短歌を一首紹介した。
ほんとうはあなたは無呼吸症候群 おしえないまま隣で眠る
たぶん横に寝ているのは夫であろう。そうした情景が怖い。そういった夫婦の関係が怖い。それを新聞に投稿する、しかも名前を公表して。それも怖い。などと穂村さんは話し、会場は爆笑に包まれた。以前から穂村さんの文章が面白くていろんな著作を読んでいる。東海林さだおさんは選評で、感性の角度が面白いと指摘していて、なるほど巧いことを言うと感心した。

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